映画「ウォーリー」 感想 一途な想いよ、君にとどけ! 遠い未来のラブストーリー

ジャンルを問わず一年中、映画漬けの生活を送っている、自称ゆるーい映画オタク⁉の私が

独断と偏見でオススメする今日の一本は、Disney・Pixarが贈るアニメ映画「WALL・E/ウォーリー」です。

 

引用元:WALL・E / © Disney/Pixar.

 

作品紹介

 

人類のいなくなった遠い未来の地球。 700年もの間、たった独りでゴミ処理をしているロボット「ウォーリー」の前に宇宙船が降り立つ。 そして、その中から白く輝くボディのロボットが現れ、ここからウォーリーの愛と冒険の物語がはじまるのです。

 

この物語はピクサーとディズニーが贈る、遥か遠い未来の29世紀のラブストーリーです。

 

ピクサー・アニメーション・スタジオとウォルトディズニー・ピクチャーズが製作した全編CG長編アニメーション映画で、2008年に全米で公開されるや6250万ドル(約66億円)を記録し、初登場で1位となりました。 

 

また、同年の日本でも公開され、5億1000万円もの興行収入で、初登場1位を記録。

 

第66回ゴールデングローブ賞のアニメ賞、第81回アカデミー賞の長編アニメ映画賞など数々の賞を獲得したのも納得の、ピクサー史上最大スケールの作品です。

 

引用元:You Tube公式 / ウォーリー

 

見どころ&おすすめ

 

主人公のウォーリーは、人間のように言葉を話さず、顔の表情もない、眼の表現だけで観ているこちらに感情を伝える演出表現は、お見事の一言。

 

さらに、人間以外はセリフが存在しないにもかかわらず、物語に登場するロボットたちの感情や個性が、手に取るように分かる高度な演出も見どころです。

 

また、冒頭の荒廃した世界とウォーリーの愛くるしいキャラクターとの対比に釘づけとなり、最初から物語に入り込んで行ける世界観も素晴らしい。

 

本作は、アカデミー賞をはじめ数々の賞を受賞しただけのことはある真面目に作られた、地球環境を基本に地球創生という壮大なテーマを約100分間の中に詰め込んだ見どころタップリの内容も、注目のポイントなのです。

 

長編CGアニメ映画なので、子どもたちはもちろんなのですが、大人たちへの注意喚起的なメッセージも込められた深遠の作品。

 

ウォーリーの起動音がマッキントッシュと同じだったり、イヴの造形にはipodのデザイナーが参加するなど、なにかとアップルと関連があるのも気になるポイントです。

 

この映画は、家族みんなでワイワイしながらもよし、2人で仲良く観るもよし、もちろん1人でどっぷりとこの世界観にひたって鑑賞するのもよしの、映画大好きな全ての皆さんにおすすめする、万人受けする良作です。

 

鑑賞したみんなが素直に感動し、考えさせられる珠玉(しゅぎょく)の作品をぜひ!

 

おすすめ度

 

★★★★☆             4点

 

主要キャスト・スタッフ

 

WALL・E/ウォーリー (ベン・バート)
EVE/イヴ (エリッサ・ナイト)
B・マックリー船長 (ジェフ・ガーリン)
シェルビー・フォースライト/BNL会長 (フレッド・ウィラード)
AUTO/オート (マッキントーク)
M・O/モー (ベン・バート)
ジョン (ジョン・ラッツェンバーガー)
メアリー (キャシー・ナジミー)
アクシオムコンピューター (シガニー・ウィバー)
 

 

監   督 アンドリュー・スタントン
脚   本 アンドリュー・スタントン
ジム・リードン
製   作  ジム・モリス
製作総指揮 ジョン・ラセター
  ピート・ドクター
   
 

 

2008年 公開   100分   アメリカ・日  本

 

簡単な、あらすじ

 

引用元:WALL・E/ウォーリー / © Disney/Pixar.

 

時は西暦2805年、人間のいないゴミの山と化した地球で、ただ一つ動くものがあった。 その動くものとは、この物語の主人公であるWALL・E(ウォーリー)。

 

ウォーリーは量産型のゴミ処理ロボットで、人類がいなくなってから700年間もの長い間、何があっても、仲間たちが壊れて動かなくなっても、ただひたすら黙々とゴミを圧縮し、積み上げて高い塔を立て続けてきた。

 

ただ長い年月の過程で、彼は感情を持つというシステムエラーを起こしてしまう。

 

ある日、上空から巨大な宇宙船が舞い降りて着陸をする。 すると、中から白く輝くロボットEVE(イヴ)が現れ、周囲を探索し始めると宇宙船は飛び去っていく。

 

ウォーリーはイヴに興味を持つのだが、イヴは警戒感からか興味をなかなか示さない。

だがウォーリーの懸命な努力で、徐々にウォーリーとイヴは仲良くなっていく。

 

そんな時、ウォーリーが自分の宝物のひとつをイヴに見せたとき、イヴは突然驚いたようにその宝物を自分の中に収納すると、そのまま機能を停止してしまった。

 

しばらくすると、あの宇宙船が再び戻ってきて、イヴを回収して飛び立ってしまう。

とっさにウォーリーは、イヴを追いかけるため宇宙船にしがみつき、ついには地球を飛び出してしまった。

 

このあと、ウォーリーはどうなってしまうのか・・・?

そしてイヴは?

ここから、ウォーリーの壮大な宇宙の冒険がはじまる!

 

引用元:WALL・E/ウォーリー / © Disney/Pixar.

 

あのシーンで、一言

 

冒頭のシーン


引用元:公式サイトより / WALL・E/ウォーリー

 

最初、むかし観た映画「ショート・サーキット」に登場したロボットみたい、と思いましたが、こっちの方が可愛い。

ウォーリー、君はかわいいゾ。

 

ウォーリーが、ひとりで歩く(走るかな?)荒廃した世界も、700年後ならあり得るな、と納得の世界観です。 CGだけど結構なリアル感にしょっぱなから圧倒されてしまいました。

 

お友達


引用元:WALL・E/ウォーリー / © Disney/Pixar.

 

ウォーリーの唯一のお友達は、ゴキブリ君(HAL/ハル)。

全ての生き物が死滅した世界でも、やっぱりゴキブリ君だけは生き残るんだな、と妙に納得です。

 

実物は、大のだい苦手ですが、物語のハル(ゴキブリ君の名前)の容姿なら許しましょうかね。

 

ただ、個人的な余談ですが、なんでわたくしの愛称とゴキブリの名前が一緒なんだぁ!!

 

ウォーリーとイヴ


引用元:公式サイトより / WALL・E/ウォーリー

 

目玉とキャタピラだけの真面目で健気なウォーリーと、なめらかで超未来感タップリなSっ気イヴとのコントラストは面白いです。

 

当初のイヴは非常に危険で、下手をすると跡形もなく消してしまう破壊力を持つ怖い方でした。

 

アクシオムの人々


引用元:WALL・E/ウォーリー / © Disney/Pixar.

 

ビックリしたのが、人類はすでに死滅していると思ったら、なんと超巨大な宇宙船の中で生活しているとは、予想外でした。

 

まさにカウチポテト状態を、地(じ)で行く人々。 そして、超メタボ体形。

すべて機械まかせで、自分で歩くこともままならない、超おデブちゃん達。

赤ちゃんの時から、すでに肥満児。 これで大丈夫なのか?

 

早死にしそうですが、そこは700年後の世界。 きっと医学が進歩しているので長生きするんでしょうね。

 

こんな未来はイヤだけど、全員こんな状態なら違和感なく幸せなんでしょうかね。

700年後の未来なら、こんな環境もあり得るな、とやっぱり納得してしまいました。

 

船 長


引用元:公式サイトより / WALL・E/ウォーリー

 

何とか自力で歩ける船長が、オートに向かって「土ってなに?とか、海ってなに?」の質問のやり取りを観ていると・・・

やっぱり、こんな未来はイヤですよ。

 

そんな船長を最初は、無知で気が弱く、しかも貧弱な体力、こんなんで大丈夫なのかアクシオムの船長は、と思ったら。

最後に男気を見せてくれましたね。

 

「ぼくは生き残りたいんじゃない、生きたいんだ!」 くぅ~、カッコイイぞ船長。 もし、この宇宙船に自分が、ゆりかご椅子の生活をしていたら、「あんたに一生ついて行く」かも。 感動したぞ、船長。

 

愛の力?


引用元:WALL・E/ウォーリー / © Disney/Pixar.

 

ボロボロになったウォーリーをイヴが修理する場面、イヴはどんな思いで直したのだろうか。 くぅ~、泣けますね。 イヴの母性を感じました。

 

かたちは直ったけど、記憶がない、感情がない。

でもそこは、ディズニー・ピクサーの十八番。

あい、愛、愛の力って言うやつですよ。

 

想像はつきましたが、やっぱりこういうハッピーエンドな終わり方が、すき。

 

降り立った人類


引用元:WALL・E/ウォーリー / © Disney/Pixar.

 

そして地上に降り立った、メタボな人類。

筋力のいらない世界から、地球の1Gの世界で、まともに歩けるのだろうか。

これから、新たな地球創生をする新人類よ、がんばれ!

骨折るなよ~

 

最後に


引用元:WALL・E/ウォーリー / © Disney/Pixar.

 

最後に気になったのですが。

この後ウォーリーは、お友達のハル(ゴキブリ君)と再会できたのでしょうか?

 

再会できたら、ちゃんとイヴを紹介するんだよ。

 

チョコっとトリビア

 

引用元:公式サイトより / WALL・E/ウォーリー

 

ウォーリーのあの顔。 監督のアンドリュー・スタントンが、野球観戦中に観客が双眼鏡でピント合わせやレンズをズームしている様子から、思いついたそうです。

やっぱりキャラクターの目は大事。 

 

キャラクターの魂は、目に宿るということですね。

 

しかし、プライベートな時でも、常にアイデアを追いかける監督の姿勢には脱帽しました。

 

また、ウォーリーがお気に入りでよく見ているビデオは、ベータマックス規格。

 

さらに、ウォーリーが機能停止中のイヴとテレビゲームで遊んでいるシーンがありました。 

そのゲームは、アーケードゲームとして世界で初めてヒットを記録したことで有名な「PONG/ポン」(卓球ゲーム)でした。

そういえば、私もむかーし遊んでましたね。 なつかしいです。


引用元:WALL・E/ウォーリー / © Disney/Pixar.

 

最後に、ゴキブリ君のHAL/ハルの鳴き声は、アライグマの鳴き声を早回し加工して表現されているそうですよ。

 

感  想

 

引用元:WALL・E/ウォーリー / © Disney/Pixar.

 

この映画は、文明社会への警鐘、そして皮肉がタップリと込められた作品だと思いました。 愚かな人間の見せ方が上手いですね。

 

自力では動かない、いや動けない人間たちを横目に、さまざまなロボットたちが忙しそうに動いていました。 何もしないで寝っ転がっている無用な生き物(人間)より、ロボットたちの方がイキイキとしていて、生きているように感じられるほどです。

 

生まれてから死ぬまでロボットによる完全介護、食事はすべて流動食のようで、動くことはもちろん、噛むことすら排除した人類の姿に虚無感を感じます。

 

そういえば、アメリカのスーパーには、肥満者用の電動カートがずらりと設置されていると聞きました。 歩かなくても大丈夫なように、色んなドライブスルーが当たり前にあるクルマ社会になってきました。

 

荒廃した世界で、嫌味なように超巨大なスーパーマーケットが、どんと構えるシーンがあります。 安く大量に、そして必要以上に買って消費した結果、成層圏までゴミだらけになった地球。

 

こんな未来になっちゃうよ、という警告なんですね。

 

また、ウォーリーがなんとかイヴの心を開かせようと、自慢のコレクションを披露します。 その中で、イヴがひかれたのが、ライターの「火」でした。

 

世の中どこもオール電化が進み、火を使う家庭は減っています。

未来の世の中は、きっと全てのエネルギーが電気でまかなうのでしょう。 ましてや宇宙船の中では、火は危険なツールなんだと想像できます。

 

きっとイヴは、知識としては火を知っているが、実物を見るのが初めてだったから興味を引いたのでしょうね。

 

火は、人類が文明社会を始めるきっかけとなったツールのひとつだと思います。

ロボットが火に興味を持つことは、人類に代わって新たな未来の申し子が誕生したようで、人間の私には少々複雑な感情をおぼえました。

 

ロボットたちは人間的な、人間はロボット的な生き方を、痛烈なコントラストのある対比で描いたところがこの映画の重要なポイントだと思いました。 そして、これらのやり取りは、しゃべらないロボットたちの無声映画のように、深ーく描かれております。

 

この映画、子どもが観ても、大人が観ても感動する、素晴らしいクオリティの内容でした。 

 

最後にこの作品は、エンディングまで観ることをおすすめします。

その後の人類がどうなったのかが、上手く描かれておりますよ。

 

引用元:WALL・E/ウォーリー / © Disney/Pixar.

 

 

あらすじは、別サイトです。
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