映画「宇宙人ポール」 あらすじ 笑って泣いて、星を超えた友情に感動するSFコメデ!!

ジャンルを問わず一年中、映画漬けの生活を送っている、自称ゆるーい映画オタク⁉の私が

独断と偏見でオススメする今日の一本は、ユニバーサル・ピクチャーズがおくる、SFコメディ映画「宇宙人ポール」です。

 

引用元:宇宙人ポール / © 2011 Universal Studios. All Rights Reserved.

 

作品紹介

 

2011年にイギリス・アメリカで製作されたSFコメディ映画で、とにかくSF映画への愛が、思いっきり込められた作品です。

 

物語の随所に「未知との遭遇」「E.T.」「トータル・リコール」「メン・イン・ブラック」「スタートレック(宇宙大作戦)」「プレデター」などなど、数々のSF映画への愛とオマージュを込めたネタが本作には仕込まれており、きっとSF好きの琴線(きんせん)に触れるであろう作品です。

 

多くの作品でコンビを組んできた、サイモン・ペッグとニック・フロイト、この2人が主役で出演し、本作では脚本も担当しています。 監督には、日本では劇場未公開作品が多いグレッグ・モットーラが才能を発揮しました。

 

そして物語のラスボスには映画「エイリアン」のリプリー役を演じた、あの女優が登場! さらに、スティーヴン・スピルバーグも本人の声でカメオ出演しているなど、話題満載の映画です。

 

SFオタクでイギリス人のグレアムとクライヴの2人は、念願だったコミコンの祭典とUFOスポットをめぐるアメリカの旅を、キャンピングカーを使って楽しんでいた。 

コミコンを堪能した2人は、ネバダ州のエリア51付近にさしかかったところ、暴走気味のクルマが事故を起こしてしまい、様子を見に行った2人の前に現れたのは、ポールと名乗る宇宙人だった。

 

ここから、ポールを故郷の星に帰すため、悪戦苦闘の旅が幕をあけるのだ・・・

 

引用元:YouTube公式 / 「宇宙人ポール」

 

見どころ&おすすめ

 

さまざまなコメディ映画でコンビを組んできたイギリス人の、サイモン・ペッグとニック・フロストの2人が、コンビを組んで面白くないわけがありません。

今回は気の弱そうなSFオタク役で、笑いを届けます。

 

陽気なエイリアンをはじめ、個性豊かな多くのキャラクターたちによって、奇想天外な展開が繰り広げられるハチャメチャ珍道中は、笑がとまらない抱腹絶倒をお約束します。

 

いい意味で、どこかB級映画の雰囲気を漂わせている作品ですが、映画としての完成度は素晴らしく、見ごたえ十分。 わかりやすいストーリー展開で、観ている人をハラハラ笑笑させて最後まで飽きさせません。

 

この「宇宙人ポール」は笑って楽しんで、感動して涙し、そして考えさせられたりと、かなり攻めた盛りだくさんの内容です。

 

きっと、想像以上の感動をこの映画が与えてくれることに、あなたは驚きますよ。

 

また、過去の名作映画のオマージュ的ネタを見つけて、ニタニタするのも一興(いっきょう)かと。

 

SF映画、コメディ映画好きの方にはもちろんおすすめですが、あまりSF映画を観ない方や、ネタを知らない方でも、十分に楽しんでいただける作品だと思います。 とにかくSF映画が苦手な方にこそ、ぜひ観てもらいたい作品です。

 

カップル、友人、家族など大勢で観ると特に盛り上がるので、おすすめです。

できれば、ビールとポテトチップスをお供にどうぞ。

 

少々お下品な言葉や下ネタがあるので、お子様のご鑑賞にはくれぐれもご注意ください。

 

おすすめ度

 

★★★★☆             4点

 

主要キャスト・スタッフ

 

グレアム・ウィリー (サイモン・ペッグ)
クライヴ・ゴリングス (ニック・フロスト)
ポール:宇宙人 (声:セス・ローゲン)
ルース・バグス (クリステン・ウィグ)
ゾイル捜査官 (ジェイソン・ベイトマン)
ハガード捜査官 (ビル・ヘイダー)
オライリー捜査官 (ジョー・ロー・トルグリオ)
タラ・ウォルトン (ブライス・ダナー)
モーゼ・バグス (ジョン・キャロル・リンチ)
ビッグ・ガイ (シガニー・ウィーバー)
 

 

監   督 グレッグ・モットーラ
脚   本 サイモン・ペッグ
  ニック・フロスト
製   作 ニラ・パーク
  ティム・ビーヴァン
  エリック・フェルナー
製作総指揮 ナターシャ・ワートン
  デブラ・ヘイワード
  ロバート・グラフ
  ライザ・チェイシン
   
 

 

2011年 公開   104分   イギリス・アメリカ・日  本

 

登場人物の紹介

 

グレアム・ウィリー


引用元:宇宙人ポール
/ © 2011 Universal Studios. All Rights Reserved.

 

クライヴの小説の挿絵を描いているイラストレーターで、イギリス人のSFオタク。クライヴとは幼いころからの親友。

 

クライヴ・ゴリングス


引用元:宇宙人ポール
/ © 2011 Universal Studios. All Rights Reserved.

 

SF小説家でイギリス人。 グレアムとは同じ趣味を持ち、こちらもSFオタク。 グレアムといつも一緒にいるため、ゲイとよく間違えられる。

スタートレック好きが高じて「クリンゴン語」が話せる。

 

ポール


引用元:宇宙人ポール
/ © 2011 Universal Studios. All Rights Reserved.

 

60年間も政府に幽閉されていた、グレイ型の宇宙人。

さまざまな特殊能力の持ち主で、姿を消したり、他者の脳へ情報を伝えたり、他者の怪我や病気を自分に移し治してしまう能力を持っている。 地球での暮らしが長いので、りゅうちょうな英語を話せる。

 

もともと、地球には科学調査のためにやってきたが、宇宙船が墜落して囚われの身となってしまう。 長年政府に協力してきたが、ポールの特殊能力が欲しいため、解剖されそうなところで脱出をはかる。

 

ルース・バグス


引用元:宇宙人ポール
/ © 2011 Universal Studios. All Rights Reserved.

 

家族で経営しているRVパークで、受付を担当している女性。 病気で左目を失明している。

キリスト教徒の父の影響で、宇宙人の存在を否定していたが、ポールの能力で左目を治してもらったことから、考え方をあらためる。

 

ゾイル捜査官


引用元:宇宙人ポール
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政府のエージェント。 上司のビッグや部下たちに振り回されながらも、執拗にポールたちを追いかける捜査官。

実はポールの内通者。 とあることで、ポールに恩を感じている。

 

タラ・ウォルトン


引用元:宇宙人ポール / © 2011 Universal Studios. All Rights Reserved.

 

60年前、ポールが最初に接触した地球人女性。 深手を負ったポールを手当し、墜落に巻き込まれた愛犬の名前をポールに与えた名付け親でもある。

 

モーゼ・バグス


引用元:宇宙人ポール
/ © 2011 Universal Studios. All Rights Reserved.

 

ルースを男手一つで育てた父親で、厳格で偏狭的な性格のキリスト教徒。

 

ビッグ・ガイ


引用元:宇宙人ポール
/ © 2011 Universal Studios. All Rights Reserved.

 

逃げたポールを、ゾイル捜査官たちを使って連れ戻そうとする政府の人間。

 

簡単な、あらすじ

 

引用元:宇宙人ポール / © 2011 Universal Studios. All Rights Reserved.

 

SFオタクでイギリス人のグレアムとクライヴの2人は、コミコン・インターナショナルへの参加とSFの聖地巡礼を巡るため、キャンピングカーでアメリカ旅行をしていた。 

 

コミコンを堪能した2人は、SFの聖地を巡る旅を楽しんでいた。 そしてネバダ州のエリア51付近にキャンピングカーがさしかかったところ、自分たちのキャンピングカーを暴走気味のクルマが追い越していった。

 

その後、そのクルマが事故を起こしてしまう。 その事故の様子を恐る恐る見に行った2人の前に現れたのは、本物のグレイ型の宇宙人だった。

 

ポールと名乗るその宇宙人は「数十年前に地球にやって来て、今まで政府に協力していた」と話す。 長く地球で暮らしていたためか、地球語(英語)が堪能であった。

 

しかしポールは、政府の役人によって解剖されそうになったため、実験室から脱走し逃げていたのだった。

 

そしてポールは、グレアムとクライヴの2人に、仲間の宇宙人が迎えに来る地点まで送って欲しいと頼む。 2人は宇宙人を見捨てるわけにはいかず、ポールをその場所まで送り届けることにした。

 

途中で、病気で左目が見えない女性ルースも同乗し、4人のアメリカ大陸縦断の旅がはじまる。

 

旅の道中、政府のエージェントたちが、ポールを捕獲するため一行に襲いかかってくる。 しかしポールの特殊能力である、姿を消す、傷を治す、テレパシーのような能力などを駆使して、数々の困難を乗り越えていく。

 

はたして一行は、政府のエージェントたちから逃げきることはできるのか。

そして、ポールは無事に自分の星に帰れるのか。

 

こうして、グレアムとクライヴ、そしてポールの奇妙な冒険旅行が幕をあける。

 

引用元:宇宙人ポール / © 2011 Universal Studios. All Rights Reserved.

 

「宇宙人ポール」の秘密を探る

 

数々の作品へのオマージュを紹介


引用元:宇宙人ポール
/ © 2011 Universal Studios. All Rights Reserved.

 

「スタートレック」のクリンゴン語をクライヴが話し、聖地巡礼中に2人は「スタートレック」ごっこをして遊んでいます。

 

3つのオッパイは「トータル・リコール」から。

 

ポールが姿を消すのは「プレデター」の能力だし、指でプレデターの牙を作り、声真似もしています。

 

捜査官をピーター・パーカーと言いますが、これは「スパイダーマン」の主人公の名前でした。

 

ポールたちが居場所を知らせるため、花火を買いに行くシーンと花火打ち上げシーンでは「未知との遭遇」の象徴的な音階「レ・ミ・ド・ド・ソ」が流れます。

また、デビルスタワー自体が「未知との遭遇」に登場しますし、UFOが来たと思ったらヘリコプターだったシーンも、懐かしい場面です。

 

ポールがスピルバーグ監督に「E.T.」のアイデアを提供するシーンは、スピルバーグ本人がカメオ出演し、スピーカーから流れている声も本人の声です。 これには驚きました。

 

政府の内通者ゾイルが、ポールとの別れ際に「じゃあな、ショート・ラウンド」と話すシーンでは「インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説」に出演していたアジア人の青年の名前と同じ、ショート・ラウンドという名でしたね。

 

この他「ジョーズ」のセリフなど、スピルバーグ監督の作品へのオマージュを深く感じられます。

 

それと、「X-ファイル」のモルダーは、ポールのアイデアだった小ネタもありました。

 

最後にラスボス的存在の政府役人ビッグ・ガイを演じたのは、「エイリアン」シリーズでリプリー役でおなじみのシガニー・ウィーバーでした。 これにはびっくりで、「エイリアン」へのオマージュを感じました。

 

タラ・ウォルトンが、ビッグ・ガイを殴ったときに言うセリフ「彼女から離れな、ビッチ」は、「エイリアン2」でリプリーが少女ニュートをエイリアンクイーンから守るときに言うセリフと同じです。

 

ポールを追う捜査官たちは黒ずくめのスーツ姿ですが、これは「メン・イン・ブラック」のエージェントと同じ服装でした。

 

物語の中盤で、グレアム、クライヴ、ルース、ポールの4人が焚火を囲んでマリファナを吸いながら語り合うシーンは「イージー・ライダー」へのオマージュです。 

そう言えば「イージー・ライダー」で、なぜ宇宙人は地球人にコンタクトしてこないのかという疑問を話し合っていましたね。

 

まだまだ他にも、色々なオマージュが隠されていると思います。

それらを探すのも、この映画の楽しみ方のひとつです。

 


引用元:宇宙人ポール
/ © 2011 Universal Studios. All Rights Reserved.

 

ちょこっとトリビア


引用元:宇宙人ポール
/ © 2011 Universal Studios. All Rights Reserved.

 

サイモン・ペッグとニック・フロストは、本作の脚本を作るにあたって、キャンピングカーを借りてアメリカの各地を、撮影で使用する場所などを事前に下見(ロケハン)して周っていました。

 

物語で登場する実在のドライブイン「リトル・エイリ・イン」で2人は、おしゃべりなウェイトレスと喧嘩腰の地元民に遭遇したそうです。

 

「これは映画の中で、良いアクセントになる」と感じた2人は、この出来事を作品の中に盛り込むことにしました。

 

それが本作の序盤、グレアムとクライヴがドライブインで、おしゃべりなウェイトレスとちょっかいを掛けてくる不良に出会うシーンとなって表現されています。

 

もうひとつ。

 

ポールが最初に接触する地球人女性タラを演じたのは、ブライス・ダナー

そしてブライスの娘は、有名な女優のグウィネス・パルトローですが、そのグウィネスの名付け親はカメオ出演したスピルバーグ監督でした。

 

さらにグウィネスの娘の名付け親は、グレアム役を演じたサイモン・ペッグでした。

 

出演者が親子3代にわたってご縁がある映画というのは、なかなか無いのではないでしょうか。

 

コメディ映画だけど、ウルっとくるシーン

60年ぶりにタラと再会を果たしたポールが、ぬいぐるみを返すシーン。

 

ポールが政府機関に連れて行かれとき、なぜか一緒に持って行った熊のぬいぐるみ。 彼がいつの日か彼女に返そうと、大事に持っていた熊のぬいぐるみ。

 

ポールから受け取ったぬいぐるみを、タラが大事そうに抱きかかえ「ありがとう」と言うシーンは、お互い長い年月を経ても、なお初めて会ったときの気持ちのままだったと思わされて、グッと込み上げるものがありました。

 

ポールがタラに、一緒に行こうと誘うシーン。

 

ポールがグレアムたちと最後の別れをするとき、タラに「一緒に行こう」と誘います。 自分のせいでつらい人生を送ってしまったタラに、ポールは責任を取る意味で、タラに新しい人生をプレゼントしたいと考えました。

 

タラは一瞬悩みますが、快諾します。 今のタラには、友人はいない、そして家も失い、そんな地球には未練なんてなかったのでしょう。 

ポールの優しさにウルっとなり、心が温まりました。

 

感  想

 

 

引用元:宇宙人ポール / © 2011 Universal Studios. All Rights Reserved.

 

この映画、作品名やパッケージからB級感が漂うので、未だ鑑賞されていない方も多いと思います。 しかし、数々の名作品への愛を盛り込みつつ、笑や感動などのツボをしっかりおさえた隠れ名作、観ないのは絶対もったいない作品だと思います。

 

大人が見るエイリアンもので、これくらい砕けた作品もありです。 例えるなら、アダルト版の映画「E.T.」という感じでしょうか。 個人的には「E.T.」より、こちらの映画の方が断然スキ。

 

またこの映画、ふたを開けてみると、SFオタク2人と宇宙人を宇宙に帰すまでの、ロードムービーでもあるんです。 

 

いつか自分も、アメリカ大陸の荒野をキャンピングカーに乗って縦断してみたいと思わせてくれるので、旅がしたくなるロードムービーものとしても最高の映画だと思いました。

 

イギリス人のサイモンとニックが、脚本にたずさわっているので、イギリス人目線からのアメリカに対しての皮肉が結構強烈なんですが、嫌味なく笑えるのは流石です。 こういった大人の遊び心が、観ている方を大いに盛り上げ、さらに映画の中に引き込んでいきます。

 

また一方で、おバカな展開だけではなく、キリスト教への皮肉やアメリカ中西部の閉鎖的な考え方を取り上げているなど違った一面が見えて、この映画の魅力がさらに増しているのが素晴らしいところです。

 

そして、ポールについて一言。

 

テレパシー、ヒーリングに透明機能などさまざまな能力を持っていますが、それ以上に彼?はアメリカ人より陽気なアメリカンで宇宙人なのに物凄く人間味があって、キュートでナイスガイなヤツです。 

 

ポールはCGだけど、すっかり感情移入しちゃいました。

ポール、イケてるよ!

 

悪い奴らやは出てくるし、死人も出るけど、どれもなぜか後味が悪くならず、始まってから終わるまで、ずーっと楽しく観ていられます。 

 

コメディ映画だからとなめていた訳ではないけれど、まさか感動させられてウルっときている自分に、ビックリでした。

 

とにかくこの映画を知らない方、SF映画が苦手な方は、百聞は一見に如かずデス。

「宇宙人ポール」おすすめデス!

 

引用元:宇宙人ポール / © 2011 Universal Studios. All Rights Reserved.

 

 

以下はネタバレ記事です。 ネタバレが嫌いな方は観ないで下さい ネ。

あらすじ

 

ー未知との遭遇ー

引用元:宇宙人ポール / © 2011 Universal Studios. All Rights Reserved.

 

1947年、アメリカはワイオミング州に暮らす少女タラは、ある日の夜に愛犬ポールがなぜか外に出たがるので、外に出してあげる。 一緒にタラも外に出て夜空を見上げていると、ポールをめがけて光る物体が空から落ちてきた。

 

愛犬ポールに激突したのは、どうやら宇宙船のようであった。

 

それから60年後の現代。

 

SFオタクの、グレアム・ウィリーとクライヴ・ゴリングスの2人は、カルフォルニア州サンディエゴで開催されているコミックコンベンション、通称「コミコン」に参加するためイギリスからやって来た。

 

イギリス人でイラストレーターのグレアムとSF作家のクライヴは、念願かなって参加できたコミコンに大はしゃぎする。

 

翌日、2人はキャンピングカーを借りて、計画していたUFOスポットを巡る聖地巡礼の旅に出発する。

 

ネバダ州で、UFO関連施設と噂されているエリア51と呼ばれている、グルーム・レイク空軍基地の近くを訪れ、休憩がてら「リトル・エイリ・イン」というドライブインに立ち寄った。

 

クライヴがトイレに行きグレアムが1人残ったとき、ガラの悪い2人組が絡んでくる。 ビビったグレアムはクライヴがトイレから戻ってくると慌てて店を出てキャンピングカーに飛び乗った。

 

焦っていたクライヴは、キャンピングカーをバックさせたときに、絡んできた2人組のクルマにぶつけてしまうが、何事もなかったような顔をしてドライブインを逃げるように出発した。

 

2人が夜もふけてきたハイウェイを走っていると、後ろから凄いスピードで近づいて来るクルマに気がついた。 

 

ドライブインで絡んできた奴らが追いかけて来たと思ったら、そのクルマはキャンピングカーを追い越して行ったので、ひと安心する2人だった。

 

だが、追い抜いていったクルマは、道路から外れ火花を散らしながら横転し、事故を起こしてしまった。

 

気になったグレアムとクライヴはキャンピングカーを止め、焼けてしまったクルマを見に行くと、クルマには誰もいない。 クライヴが携帯電話で警察に電話しようとすると「やめとけ。 その電話を切るんだ」と誰かが話した。

 

声のする方を見ると、暗闇からリュックを背負った1人の宇宙人が現れた。

宇宙人を見たクライヴは、携帯電話を握ったまま失神してしまう。

 

グレアムは驚きながらも、その宇宙人に話しかけてみる。

 

宇宙人はポールと名乗り「失神したこいつを早いとこクルマに乗せて、一緒に出発しよう」と話してきた。 状況がよく飲み込めないグレアムが戸惑っていると、宇宙人のポールは「ヤバいんだ。 助けてくれないと俺は死んじまう」「たまには冒険するのもいいだろ、頼むよ」とお願いしてきた。

 

人間の言葉、英語を話し、どこか陽気なこの宇宙人ポールにグレアムは、動揺しながらも、彼の頼みを聞き入れることにした。 そして一緒にクライヴをキャンピングカーに運び込む。

 

助手席に座ったポールは「ビッグ・ガイから出来るだけ遠くに離れなくちゃ」と独り言を言った。

 

数々のコメディ映画で共演している、サイモン・ペッグとニック・フロストの名コンビは、本作でも序盤から安定した面白さを発揮しております。

この二人の掛け合いは流石です。

ポールの外見は、ずばりグレイ型の宇宙人です。 もー、普通の人間みたいに流暢に会話しているから、声だけ聞いていれば、まんま陽気な地球人です。 60年間も地球に住んでいるから、自分のことを地球人だと勘違いしてはいないだろうか?

 

ー宇宙人との旅ー

引用元:宇宙人ポール / © 2011 Universal Studios. All Rights Reserved.

 

ポールが事故を起こしたクルマを、政府の捜査官ゾイルが調べていた。 

そして調査をしている最中、彼の上司ビッグ・ガイから無線連絡が入る。

 

ゾイルは「ポールは、2人の人間とヒッチハイクをして逃走中」。

するとビッグは「どんな手を使ってでも宇宙人を捕まえて。 それと、2人の人間は始末しなさい。 あと、新人2人を応援に送ったから合流して。」と彼に指令を出した。

 

一方、キャンピングカーでは、グレアムとポールが冗談を交わす間柄になっていた。 するとクライヴが目を覚まし、グレアムが「心配ないよ、彼はポールだ」と紹介するが、この事実をなかなか理解できないでいた。

 

しばらくキャンピングカーを走らせていると、検問が設置されていた。

検問には、ビッグが差し向けた新人捜査官ハガードとオライリーが仕切っていた。

 

2人の捜査官がキャンピングカーに乗り込み調べたが、ポールを見つけることはできなかった。 じつは、ポールは息を止めている間、透明になれる能力があり、それを使ってうまく切り抜けたのだ。

 

無事に検問を切り抜けた3人は、再びキャンピングカーを走らせる。 

クライヴがポールに、逃げている理由を質問するが、彼は「知らない方が身のためだ」と話すだけだった。

 

そのとき、キャンピングカーの窓ガラスに突然、鳥がぶつかってきた。 ぶつかってきた鳥の様子を確認するため、外に出る3人だが鳥は死んでいた。

 

するとポールは、鳥を両手で抱き上げ目を閉じて念じると、鳥は生き返り羽をバタつかせた。 ポールは、死んだ生き物を生き返らせる能力もあったのだ。 

 

クライヴたちが「奇跡だ!」と喜んでいると、ポールは生き返った鳥をいきなり食べてしまった。 「せっかく生き返ったのに、なぜなんだ」とクライヴが言うと、ポールは「死んだ鳥は食えんだろ」とあっさりと言い放った。

 

またグレアムは「人間も生き返らせることができるのか」と聞くと、ポールは「危険だ」と。 何かを蘇生させるとき、対象のダメージがポールに跳ね返ってくるとのことだった。

 

長時間の運転に疲れたので、RVパークを見つけ、そこで一泊することにした。

施設を経営するのはモーゼ・バグスで、片方の目が見えない娘のルース・バグスが受付を担当していたのだが、グレアムはルースを一目見て心惹かれるものを感じてしまった。

 

しかし彼女は、厳格なキリスト教徒である父モーゼに呼ばれ、その場をすぐ離れてしまう。 

 

その夜3人は、バーベキューを楽しんで眠りにつく。 しかしその光景を陰から、ルースがのぞいていた。

 

翌朝、ルースはキャンピングカーにやって来て、3人居なかったかを聞いてきた。

グレアムは「もう一人はトイレの中だよ」と答えた。

 

そしてグレアムは、ルースの着ているTシャツに描かれている「イエスをダーウィンが銃で撃っている」イラストを見て「どうして撃つの?」と彼女に聞いた。

 

彼女は「進化論は神への冒涜だからよ。 世界は神様が設計されたの」と言うと、ポールがトイレから「デタラメだ」と反論し、2人は言い合いになってしまう。

 

ポールは「神が創っただと。 じゃあこの俺はどうなんだ」と言い放ってトイレのドアを開けてしまう。 彼女の前に姿をさらけ出したポールを見て、ルースは驚き失神してしまう。

 

ポールの存在がばれた以上、一緒に連れて行くしかないと考えた3人だった。

ポールが、グレアムとクライヴのパスポートを取りに透明になって施設の受付に行くが、ルースの父モーゼに見つかってしまう。

 

モーゼがライフルを撃ってきたが、慌てて逃げ出しRVパークから逃げ出すことに成功する。

 

キャンピングカーの中で、目を覚ましたルースはポールを指さして「この悪魔」とわめき散らす。 グレアムが彼女を説得するが、まったく聞く耳を持っていなかった。

 

ポールが、やれやれとばかりに彼女に近づき、彼女の頭に手を当てて、自分の知識と経験を送った。 すごい情報量を一気に送ったため、またも彼女は気絶してしまった。 そして、グレアムにも同じことをしたら、彼も気を失ってしまった。

 

その頃、RVパークにゾイルたちがやって来て、モーゼに聞き込みをはじめていた。

ゾイルの指示に従って動いていたハガードとオライリーの2人は、ゾイルが何を追いかけているのか聞かされていなかった。

 

調査を終えたゾイルたちは、RVパークを後にする。 だが、モーゼは車内でゾイル達が会話をしている内容を、無線傍受して聞いていたのだ。

モーゼは、ライフルをたずさえ彼らの後を追うことにした。

 

再びルースは目覚めたが、まだ宇宙人の存在を認めたがらなかった。 グレアムは必死に彼女を説き伏せようと努力した。 

 

ポールの存在に未だ疑問を抱いているルースに、ポールは彼女の視力のない左目の状態を見せて欲しいと言う。 ポールは、まぶたの上に自分の手を添えて、念じるように目を閉じた。

するとルースの見えない左目は、普通に見える状態となり、彼女はポールの能力を実感する。 そして、ルースはやっとポールのことを認めるのだった。

 

ルースがメンバーに加わり、楽しい?旅がはじまりました。

キャンピングカーに乗って、広大なアメリカ大陸を旅するなんて、憧れます。

政府の捜査官やら危なそうなモーゼのお父さんと、これからハラハラドキドキ

しそうな展開が待ち構えている予感が・・・

それとポールはなぜ逃げて、そしてどこに行こうとしているのか、気になります。

 

ー迫る追跡の手ー

引用元:宇宙人ポール / © 2011 Universal Studios. All Rights Reserved.

 

旅の途中、食事を取るため道路沿いのドライブインに寄ることにした。

ルースは、店から自宅のRVパークに電話を掛けると、なんと電話口からゾイルの声がした。 電話が掛かってくると逆探知できるように細工がされていたのだ。 慌てて電話を切り、店を後にする。

 

その夜、4人でキャンプファイヤーを楽しんでいると、グレアムがポールになぜ追われているのかの理由を聞いてみた。 今ではすっかり気を許しあえる仲になったので、ポールはその理由を話しはじめる。

 

ポールは、アンドロメダ銀河北のM惑星から60年前に地球へ科学調査のためにやって来たものの、宇宙船の着陸に失敗し政府に囚われてしまった。

 

60年もの間ポールは、自分の持っているさまざまな知識や科学技術を政府に提供してきた。 ポールは、治癒能力やテレパシーなど自分が持っている特殊能力以外の知っているすべてを教えてきたのだ。

 

だが政府は、その特殊能力をも手に入れたがった。

それにはポールの幹細胞が必要なのだが、ポールはそれを切り取られるのは「ゴメンだ」と話した。

 

政府内部に1人だけ協力者が居て、その友人の協力を得て、自分の母星にSOSを発信することができた。 そして仲間が迎えにきてくれることになり、幹細胞を切り取られる前に逃げ出し、逃げている途中でグレアムたちに出会ったのだ、とポールは話した。

 

翌日、4人はポールを迎えに来る仲間の宇宙船へ合図するための花火を買いに、ある街へとやってくる。

 

変装したポールとクライヴは、SFグッズのお店で物色していると、捜査を続けていたハガードとオライリーもこの街にやってきていた。

 

そこへSFオタクのオライリーが、SFグッズのお店に入ってきてしまい、エイリアン人形を装って誤魔化していたポールの正体がばれてしまう。 ハガードとオライリーは、自分たちが探していたのが宇宙人だったんだと確信する。

 

ポールとクライヴは、慌ててキャンピングカーに飛び乗り、この街を後にする。

ハガードとオライリーは、ゾイルに報告しポールたちのあとを追った。

そして、偶然キャンピングカーを見つけたモーゼも追いかけてくる。

 

なんとか逃げおおせたキャンピングカーの中で、ポールは「ここからは危険だから俺一人で行く」と言い出したが、グレアムたちは「皆でやろう。 俺たちは永遠の親友だろ」と言い、旅を続けることを決意する4人だった。

 

宇宙船への合図のための花火が高価だったため、万引きをしてしまったが、それがもとでゾイルたちにキャンピングカーの居場所を知られてしまう。

 

ポールの仲間との合流地点近くまできたとき、ポールは「どうしても立ち寄りたい家がある」と話す。 その家は、60年前に宇宙船が墜落したとき、怪我をしたポールを助け、政府が彼を連れて行くまで看病してくれたタラの家だった。

 

年老いたタラは、幼いころに出会ったポールのことを誰にも信じてもらえず、周囲からはバカにされ、つらい人生を送っていたのだった。

 

タラは、訪ねてきたポールを見るなり「やっぱり本当だったんだ」と喜びの笑みを浮かべる。 ポールは「預かっていたものを返す」と言い、背負っていたリュックから熊のぬいぐるみを取り出し、タラに渡した。 「ありがとう」とぬいぐるみを抱きしめ涙するタラ。

 

そのとき、玄関のベルが鳴り、窓からは発煙弾が投げ込まれた。

 

ポールの目的など、彼の置かれた状況がやっとわかりました。

そしてポールたちに、政府の捜査官たちがだんだんと迫ってくる緊迫した状況で、これからポールが無事に仲間の元に帰れるのかドキドキの展開へと進みます。

一方、タラとの再会は涙を誘いました。 タラのつらい人生は、長かっただろうなー。

 

ー別れの時ー

引用元:宇宙人ポール / © 2011 Universal Studios. All Rights Reserved.

 

玄関のベルを鳴らしたゾイルは、玄関の扉を開けたポールの特殊能力で気絶させられたが、ポール自身もパワーを消耗して倒れこんでしまった。

 

ポールを抱きかかえたクライヴだが、ハガードに銃を突きつけられ「エイリアンを渡せ」と迫られる。 そこをグレアムが、近くにあった長い棒でハガードを殴り、気絶させる。

 

クライヴたちは、ポールやルースだけではなく、タラも一緒にキャンピングカーに向かって必死に走る。

 

そこへモーゼもタラの家まで来ていて、キャンピングカーに逃げ込もうとしているクライヴたちに発砲しようとしていた。

 

もう一人の捜査官オライリーは、タラの家の中から銃を撃ったが、キッチンのガス栓が開きガスが充満した部屋からの発砲だったため、タラの家は木っ端みじんとなり、オライリーは焼け死んでしまった。

 

意識を取り戻したハガードは、キャンピングカーの後を追い、その後をモーゼも追いかける。 ハガードのクルマはキャンピングカーに追いつくも、運転操作を誤り崖から転落して死んでしまう。

 

夕暮れになったころ、エンジンが故障しキャンピングカーは動かなくなってしまったが、そこはポールが仲間と合流する目的地のデビルスタワーだった。

 

さっそくグレアムたちは、ポールの仲間への合図のため花火を打ち上げ、夜空に美しい光がきらめく。 そして宇宙船がやって来るのを待った。

 

そのころ、ゾイルも追いつき、クルマのトランクからライフル銃を取り出し、ポールたちの居る場所に向かう。

 

やがて、森の向こうから光るものが現れる。

それは、ビッグ・ガイの乗るヘリコプターだった。

 

上空からビッグ・ガイが、拡声器で「そこから動くな、バケモノめ」とポールに向かって叫び、着陸すると銃を構えた兵士たちを引き連れて、こちらに向かってきた。

 

そのとき、後から追ってきたゾイルが、兵士一人の足を銃で撃った。

そう、ゾイルはポールの内通者で味方だったのだ。

 

ゾイルは政府の施設内でポールと親しくなり、ポールに陰で協力していた。 

 

ポールの幹細胞が切り取られることを知ったゾイルは、彼を逃がし彼の住む惑星へ返してやろうと計画をしていたが、行き違いからポールと合流することができず、ポールたちの後を追いかけてきたのだった。

 

そして、ゾイルと兵士たちとの銃撃戦がはじまる。

しかしゾイルは、ビッグ・ガイの放った銃弾が肩に当たり負傷してしまう。

 

ポールに近づこうとするビッグ・ガイを、グレアムやクライヴそしてルースが阻止しようとするが、あっさり倒されてしまった。 しかしタラが、年寄りとは思えない強烈なパンチをくらわし、ビッグ・ガイをノックアウトさせる。

 

今度はモーゼが現れ、ライフル銃でポールに向かって引き金を引く。

しかしポールをかばったグレアムが、胸を撃ち抜かれ息絶えてしまった。

なげき悲しむクライヴたち。

 

その姿を見ていたポールは「やってみるよ」と言い、自らの危険を承知でグレアムを蘇生させようとする。 ゾイルが「ダメだ、君が危険だ! よく考えろ」と話すが、ポールはグレアムの胸に手を当て念じる。

 

やがてグレアムは、息を取り戻す。 一方のポールの体は、消耗が激しかったが命を落とすことはなかった。 そしてグレアムは、ルースと熱い口づけを交わす。

 

グレアムが生き返ったことを全員で喜んでいると、ビッグ・ガイが意識を取り戻し「まだ終わってないわ」と言いながら銃を向けてきた。

だが、ビッグ・ガイの頭上から宇宙船が降りてきて、彼女は潰されてしまった。

 

ポールは最後のお別れにと、宇宙船をバックに皆で記念撮影をする。

 

そしてポールは、タラに「一緒に行こう」と言う。

 

自分のせいで、彼女の人生を台無しにした責任から、新しい人生を彼女にプレゼントしたいと考えたのだ。 タラは一瞬ためらったが、すぐにオーケーを出し宇宙船に乗り込む。

 

ポールが宇宙船に乗り込むと、宇宙船は宇宙の彼方へと飛び去って行った。

 

2年後、グレアムとクライヴは、再びコミコンの会場に居た。

ポールを題材に2人で合作した、SF小説がベストセラーとなり、コミコンの会場で表彰されることになったのだ。

 

司会者から呼ばれ、壇上に上がると観客から盛大な拍手が上がり、満面の笑顔をみせる2人だった。

 

ラスボス的なビッグ・ガイが、まさか彼女だったとは!ビックリでした。

それと、タラがポールと一緒について行く場面は、そう来たかと、思わずうなりましたね。 心温まるシーンです。

起承転結が、うまく表現されていましたし、笑、驚き、感動、涙と色々と盛りだくさんの幕ノ内弁当的な作品、名作ですね、これ。

 

やっぱりハッピーエンドな映画は、スキだな~。

 

引用元:宇宙人ポール / © 2011 Universal Studios. All Rights Reserved.

 

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