映画「サイレントヒル」 あらすじ 独創的で圧倒的な映像美に衝撃!を受けるホラー作品

ジャンルを問わず一年中、映画漬けの生活を送っている、自称ゆるーい映画オタク⁉の私が

独断と偏見でオススメする今日の一本は、ホラー映画の「サイレントヒル」です。

 

引用元:サイレントヒル / © 2006 Silent Hill DCP Inc. and Davis Films Production All Rights Reserved.

 

作品紹介

 

コナミから発売され、全世界で大ヒットしたゲーム「サイレントヒル」を原作として、2006年にカナダ、フランス、アメリカ、日本で合作されたホラー映画です。

 

この映画は、ゲームの大ファンであった監督が実写映画化を熱望し、原作のコンセプトである「虚構と現実の入り混じった狂気の世界で起こる、悲しいストーリー」を忠実に再現しております。

 

最愛の娘シャロンが家を抜け出し、徘徊しては悪夢にうなされ叫ぶ「サイレントヒル」と言う奇妙な言葉。

 

母親のローズは、その謎を解くためシャロンを連れ、実在するウエストバージニア州の街サイレントヒルをたずねるが、そこは人けのない深い霧におおわれた街で、一度足を踏み入れると抜け出すことのできない、呪われた迷宮だった。

 

忽然と姿を消してしまったシャロンを探すローズは、想像を絶する恐怖に襲われていく・・・

 

本作は、北米総収入額が約4700万ドル、海外では約5000万ドルの興行収入を上げ大成功をおさめています。

また2012年には、アメリカで続編「サイレントヒル:リベレーション」が公開されました。

 

引用元:You Tube公式 / サイレントヒル

 

見どころ&おすすめ

 

原作は日本のゲームですが、ゲームをプレイしたことがない方が観ても、十分に見ごたえのあるホラー映画でおすすめします。

実際自分は、ゲームをプレイしたことがないので、ゲーム内容を知りません。

 

いきなり、ワァっと驚かされる心臓に良くないタイプではなく、じわじわと緊迫感が押し寄せる感じのホラー映画です。

 

この映画の注目ポイントは、独特で圧倒的な映像の美しさです。

個人的には、美術鑑賞をしているくらいに感じる、映像美!

 

そして、ストーリーの展開も情緒的なドラマ性があり、これまた優秀で見ごたえがあります。

 

ホラー映画や原作ゲームファンの方には当然オススメですが、グロテスクや痛々しい描写が控えめなPG-12指定なので、怖いものが苦手な方にも鑑賞するハードルは低いかと思います。

 

とにかく、この独特で圧倒的な映像美は一見の価値がありますよ。

 

是非みなさんも、この独特な映像美の世界に迷い込んでください。

 

おすすめ度

 

★★★☆☆             3点

 

主要キャスト・スタッフ

 

ローズ・ダ・シルヴァ (ラダ・ミッチェル)
シャロン・ダ・シルヴァ/アレッサ・ギレスピー (ジョデル・フェルランド)
クリストファー・ダ・シルヴァ (ショーン・ビーン)
シビル・ベネット (ローリー・ホールデン)
トーマス・グッチ (キム・コーツ)
アンナ (タニヤ・アレン)
修理工 (ロン・ガブリエル)
レッド・デ・ナース (エミリー・ラインハン)
ダリア・ギレスピー (デボラ・カーラ・アンガー)
クリスタベラ (アリス・クリーグ)
 

 

監   督 クリストフ・ガンズ
脚   本 ロジャー・エイヴァリー
製   作 ドン・カーモディ
サミュエル・ハディダ
製作総指揮 山岡 晃
  アンドリュー・メイソン
   
 

 

2006年 公開   126分   アメリカ・日  本

 

簡単な、あらすじ

 

引用元:サイレントヒル / © 2006 Silent Hill DCP Inc. and Davis Films Production All Rights Reserved.

 

ローズとクリストファー夫妻のダ・シルヴァ家は、養女で8歳になる娘シャロンの奇妙な言動に悩んでいた。 娘はしばしば情緒不安定になり、夢遊病者のように家を抜け出し徘徊しては、何かに取りつかれたように「サイレントヒル」と謎の言葉を発していた。

 

母親のローズが調べていくと、サイレントヒルという街が実在していることを知る。

 

そこにシャロンの症状の原因があると考えたローズは、夫のクリストファーの反対を押し切って、シャロンとともにウエストバージニア州にあるその街を訪ねることにした。

 

しかし、サイレントヒルは30年前の坑道火災により、多数の死者が出た忌まわしき場所であった。 今では誰も近づかない、深い霧と灰におおわれたゴーストタウンと化していた。

 

街に向かう途中、女児誘拐犯ではと不審に思った女性警察官シビル・ベネットに追われてしまう。

 

逃げるローズのクルマが、もうすぐサイレントヒルに入るとき、とつぜん人影が現れ、とっさに避けるが事故を起こし、ローズは気を失ってしまう。

 

気がつくと、シャロンは助手席からいなくなっていた。

そして、そこは霧が立ち込め灰が降る、ゴーストタウンのサイレントヒルだった。

追ってきたシビルも、サイレントヒルの入口で事故を起こし気を失っていた。

 

さっきまで、クルマを走らせてきた道がこつ然と消え、帰れなくなってしまった2人。

 

娘を探すため、街の捜索を始めるローズ。 そしてシャロンの捜索に協力するシビル。

 

いないはずの住人を見つけ、聞き取りを進めていく中、しだいに不思議な現象を目の当たりにする。

そこから想像もつかない恐怖が次々と襲いかかってくる。

 

ローズは、シャロンを探し出せるのか、そして無事にこの街から抜け出す事ができるのか!

 

引用元:サイレントヒル / © 2006 Silent Hill DCP Inc. and Davis Films Production All Rights Reserved.

 

登場人物の役どころを紹介

 

ローズ・ダ・シルヴァ


引用元:サイレントヒル / © 2006 Silent Hill DCP Inc. and Davis Films Production
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本作の主人公。 ごく普通の女性ですが、娘ローズの奇行に悩まされ、その手掛かりをつかむため、娘の謎の言葉をヒントに「サイレントヒル」を訪れます。

そして、次々と奇妙な出来事に巻き込まれていきます。

 

シャロン・ダ・シルヴァ


引用元:サイレントヒル / © 2006 Silent Hill DCP Inc. and Davis Films Production
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ローズとクリストファーの一人娘でじつは養女。 夢遊病者のような症状をときどき発症し、いつも謎の言葉を発するが、本人には自覚がありません。

 

かつて、サイレントヒルで魔女狩りにあったアレッサの善の部分が、彼女に転生します。 そのため、アレッサと同じ容姿をしています。

 

クリストファー・ダ・シルヴァ


引用元:サイレントヒル / © 2006 Silent Hill DCP Inc. and Davis Films Production
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ローズの夫。 サイレントヒルに行って行方不明となった、ローズとシャロンを懸命に捜索します。 

 

グッチ警部と共にサイレントヒルに向かいますが、霧と灰に包まれた側のサイレントヒルにいるローズとシャロンには会えません。 

そして、サイレントヒルの過去を調べるために、各地をほんそうします。

 

シビル・ベネット巡査


引用元:サイレントヒル / © 2006 Silent Hill DCP Inc. and Davis Films Production
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サイレントヒルの隣町ブラームスの警察官で、グッチ警部は上司にあたります。

ローズとシャロンを不審に思い、2人を追跡するも霧と灰のサイレントヒルに彼女も迷い込んでしまいます。 そして、ローズと協力してシャロンの捜索をおこないます。

 

アレッサ・ギレスピー


引用元:サイレントヒル / © 2006 Silent Hill DCP Inc. and Davis Films Production
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その昔、サイレントヒルの小学校で「魔女の娘」と呼ばれ、いじめられ孤立していました。 さらに清掃員コリンから、性的虐待も受けていました。 アレッサの母親ダリアの姉から魔女と認定され、火あぶりにされるも、瀕死の状態で生きていました。

 

彼女に生まれた苦痛や憎しみが、強い怨念となって「ダークアレッサ」という悪魔を誕生させ、その悪魔が異世界の「サイレントヒル」を作り出したのです。

 

ダリア・ギレスピー


引用元:サイレントヒル / © 2006 Silent Hill DCP Inc. and Davis Films Production
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ローズが初めて会う街の住人です。 また、彼女はアレッサの母親で、クリスタベラの妹。 アレッサの父親が不明のため、サイレントヒルの住民から「魔女」と呼ばれ、しいたげられてきました。

 

クリスタベラ


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ダリアの姉。 サイレントヒルで古くから宗教団体を取り仕切ってきました。 行き過ぎた信仰心の持ち主で、ときには残虐な行いも辞さない人物です。

 

過去にアレッサを火あぶりにし、街の大火災と「もう1つのサイレントヒル」を誕生させた原因を作ります。

 

トーマス・グッチ警部


引用元:サイレントヒル / © 2006 Silent Hill DCP Inc. and Davis Films Production
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サイレントヒルの隣町ブラームスの刑事で、シビルの上司。 クリストファーと共に、サイレントヒルでローズたちを探しまわります。

もとはサイレントヒルで生まれたが、街の大火災で街を去った過去を持ちます。

 

恐怖のクリチャーたち

 

グレイチャイルド


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ローズが最初に遭遇する、全身が灰色の人型クリーチャー。 

内部が燃えているようで、割れた皮膚から炎が見えます。 大勢出てきて集団で襲ってきます。

 

アームレスマン


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両腕がなく、全身をくねらしながら動く人型クリーチャー。

全身をゴムのような皮膚でおおわれている。 裂け目から毒液を出して攻撃してくる。 シビルに毒液を浴びせるが、銃で反撃される。

 

ジャニター


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エビ反りになった状態で、目に有刺鉄線を巻かれた人型クリーチャー。

小学校の清掃員コリンが変貌したもので、このクリーチャーが触れたところは、たちどころに腐食してしまう。

 

クリーパー


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人の顔を持ったゴキブリのようなクリーチャー。

シビルに踏みつぶされ、おぞましい悲鳴を上げていました。

また、レッドピラミッドと共に大量に現れます。

 

レッドピラミッド


引用元:サイレントヒル / © 2006 Silent Hill DCP Inc. and Davis Films Production
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三角錐の大きな兜をかぶった人型クリーチャーで、3メートル程の巨体。

大量のクリーパーを引き連れ、巨大な大剣を振り回し、怪力で不死身の肉体を併せ持つ、本作に出てくるクリーチャーたちの象徴的な存在です。

 

ダークナース


引用元:サイレントヒル / © 2006 Silent Hill DCP Inc. and Davis Films Production
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女性看護師の格好をした人型クリーチャー。

手にナイフなどの凶器を持ち、集団で襲ってきます。 暗闇の中、奇妙な格好でマネキンのように静止しています。 光に反応して動き出す特徴があります。

 

「サイレントヒル」のあれこれを深掘り

 

シビルのいる理由


引用元:サイレントヒル / © 2006 Silent Hill DCP Inc. and Davis Films Production
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金髪でショートヘアーのカッコいい女性です。

娘を探すローズを横で支え、ときには身を挺してローズを助けるなど、さすが警察官の鏡、カッコいいです。 個人的には、本作で一番好きなキャラクターです。

 

ローズやシャロンが、霧のサイレントヒルに迷い込むのは、ある意味仕方がないことだと思いますが、シビルには関係がないことで、ただ巻き込まれただけのように感じます。

 

きっと、シビルが事故を起こしたのは、アレッサが原因です。 

アレッサは、勇敢で献身的な姿を見せるシビルに母性を感じ、サイレントヒルに招いたのではないでしょうか。

 

ただ、最終的にシビルがクリスタベラの一団に殺されるとき、アレッサがなぜ助けなかったのか。 推察するに、アレッサは母親として、シビルではなくローズを選んだからなのでは。

 

アレッサに気に入られたために、招かれたかわいそうなシビル。 個人的には、生き残っていてもらいたかった人物です。

 

コリンの横にある謎の言葉


引用元:サイレントヒル / © 2006 Silent Hill DCP Inc. and Davis Films Production
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コリンのそばにある言葉「やれるものなら、やってみろ」。

これは、アレッサの怒りの言葉だと思います。

 

同級生からいじめられ、トイレに逃げ込んだアレッサに、清掃員のコリンは大人の男として、やってはいけないことをしていました。

 

そんなコリンを学校のトイレで、エビ反り状態ではりつけにし、下半身が使いものにならないようなクリーチャーに仕立て上げたアレッサ。

 

「これでもう私を襲うことができないだろう!」というアレッサの復讐の想いがこもった言葉だと思いました。

 

3つの世界

 

このサイレントヒルには、3つの世界が出てきます。

 

まずは、ローズとシャロンが迷い込んでしまった、深い霧と灰に包まれたサイレントヒル。 非現実的な世界です。

 

そして2つ目が、そのサイレントヒルにサイレンが鳴り響くと、霧の世界が暗闇に一変し、クリーチャーが徘徊する異世界へと変貌します。 そこは、殺意をもったクリーチャーが、街の住人達に襲いかかってくる地獄のような世界です。

 

3つ目は、現実の世界です。

ローズの夫クリストファーやトーマス警部が、ローズたちを探す世界、霧や灰のないサイレントヒル、現実の世界です。

 

たまに気配を感じるときもありますが、サイレントヒルの同じ部屋に居ても、お互いを認識できません。

 

シャロンと同化した?

 

物語の終盤、アレッサがシャロンに近づきます。 そしてシャロンが意識を取り戻してから、明らかに様子が変わりました。

きっと、アレッサとシャロンがフュージョン(融合、合体)したんだと思います。

 

外見はシャロン、中身はアレッサなのでしょうか?

サイレントヒルの住人に復讐をはたし、念願の母親ローズも手に入れたアレッサ。

 

邪悪な心をもったアレッサと良心の心をもったローズが融合して、一人になった。

もともと1人が分離して2人になっていたところ、願いが叶って再び1人になったのでしょう。

 

きっとこれからは、母親ローズと穏やかな生活が送れるシャロン?いやアレッサなのです。

めでたしめでたし、なのか?

 

ラストシーンを考察


引用元:サイレントヒル / © 2006 Silent Hill DCP Inc. and Davis Films Production
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主人公のローズは、無事にシャロン?を救い出し、サイレントヒルからの脱出に成功し、ハッピーエンドを迎えたかかのように思えたが・・・

 

家に戻ってくるが、未だあちらの世界にいるという、悲しいバッドエンドな展開。

 

ローズとシャロン?は、あちらの霧の世界で、仕方がなく2人で暮らす覚悟をし、一方のクリストファーは、2人が帰ってこない現実の世界でさみしく待ち続ける悲しい展開のラストでした。

 

なぜ、戻れない⁉

 

シャロンを助けるため、捨て身になるローズを見たアレッサが、彼女こそ自分が求める母親だと、認識したのです。

 

復讐を果たしたアレッサにとって、あと必要なのは母親だけなのです。 

だから、自分が作ったこの霧の世界で、ローズと2人だけですごすことが、アレッサにとっては必要で幸せなことなのだと思います。

 

きっとアレッサにとって、現実の世界は必要ではないのでしょうね。

 

感  想

 

引用元:サイレントヒル / © 2006 Silent Hill DCP Inc. and Davis Films Production All Rights Reserved.

 

先ず、原作のゲームをしなくても、十分に楽しめる映画でした。

 

ホラー映画ですし、霧に包まれた街がメインステージなので、全体的に暗い雰囲気の中で物語が進んでいきますが、その雰囲気が特徴的です。 霧の世界が幻想的で、観ているこちらもいつの間にか、その世界観に入り込んでしまっています。

 

ワッと驚かすのではなく、じわじわと迫ってくる恐怖の演出、クリーチャーの容姿や表現の仕方、街の雰囲気など、とにかく映像の全てに独特な特徴を持っているのが、この作品の大きな魅力です。

想像してこれを作った美術スタッフに拍手です。

 

それに加えて、残酷な人の業を浮き彫りにした悲しい情緒的な内容が加わり、ホラー映画としての完成度は、完璧の一言です。

 

個人的にホラー映画の中では、最高ランクの作品で傑作だと思います。

 

印象的だったのは、三角錐をかぶったレッドピラミッドではなく、ダークナースの方で、不自然な動きが不気味でした。 これ、CGではなく人間(きっとプロのダンサーかな?)が演じているそうです。 ずいぶんスタイルの良いダークナースさんたちでした。

 

続編も公開されていますが、本作を超えられるのかは注目ですね。

その続編「サイレントヒル:リベレーション」は、また後日にでも。

 

引用元:サイレントヒル / © 2006 Silent Hill DCP Inc. and Davis Films Production All Rights Reserved.

 

 

以下は、詳しいあらすじです。 ネタバレが嫌いな方は読まないで下さい ネ。

あらすじ

 

ー起ー

引用元:サイレントヒル / © 2006 Silent Hill DCP Inc. and Davis Films Production All Rights Reserved.

 

夫クリストファーと妻ローズのダ・シルヴァ夫婦は、8歳になる娘シャロンの行動と奇妙な言動に悩まされていた。 

 

娘はしばしば情緒不安定になり、夢遊病者のように家を抜け出しては徘徊し、何かに取りつかれたかのように「サイレントヒルに帰る」と謎の言葉をしゃべっていた。

 

その夜も眠りながら家を抜け出したシャロンは、家の近くの車道横にある崖の上に立っていた。

 

シャロンが、危うく滝つぼに落ちそうになったときに、娘を探していたローズに抱きとめられ助けられる。

 

シャロンの身を案じ心配でたまらないローズは、サイレントヒルという言葉が気になり、調べ始める。 調べていると、ウエストバージニア州にサイレントヒルという街が存在していることを知る。

 

子供ができなかったダ・シルヴァ夫婦は、乳児だった女の子を引き取り、シャロンという名前をつけて育てていた。 じつはシャロンは養女だったのだ。

 

シャロンは、ウエストバージニア州にあるトルーカ郡立児童保護施設から引き取ったのだ。 気になるのは、同じウエストバージニア州ということ。

 

何か関係があるのではと疑うローズ。

ひょっとして、そこに娘の症状の要因があるのではないか、娘の症状が良くなるのではないかと考えるローズ。

 

クリストファーは反対したが、ローズはある日、シャロンと2人で「秘密の旅行」としょうし、クルマでサイレントヒルへと向かう判断をする。

もちろんクリストファーには話さずに、である。

 

同じ頃、クリストファーも、サイレントヒルというゴーストタウンが存在することを知ったとき、妻とシャロンがそこへ向かうという連絡が入る。

 

サイレントヒルは30年前の坑道火災により、多数の死者が出た忌まわしき場所で今は誰も近づかない、ゴーストタウンと化していたのだ。

 

あわてて、2人を追いかけるクリストファー。

 

シャロンを連れたローズは、深夜にサイレントヒル手前のブラマ市に到着し、ガソリンスタンドの店員にサイレントヒルまでの道をたずねるが、街までの道が封鎖されていると聞かされる。

 

その様子を白バイのシビル・ベネット巡査が遠目から見ていた。

しかし、ローズは、そのことに気がつかず、サイレントヒルへとクルマを走らせる。

 

しばらくクルマを走らせていると、後ろから白バイが追って来て停車するように指示をされ、しかたなく一旦はクルマを止める。 が、シビル巡査の制止を振り切り、再び走り出すローズ。

 

そしてサイレントヒルにさしかかったとき、突然ラジオの調子が悪くなり雑音が聞こえてくる。

ラジオを操作しながら運転しているローズの前に少女が姿を突然あらわし、慌ててハンドルを切るも、事故を起こし気をうしなってしまった。

 

シビル巡査も同じように事故を起こし、バイクを転倒させ気を失ってしまう。

 

目覚めたローズは、助手席にシャロンがいないことに気がつき、慌ててクルマから降りて、辺りをみまわす。

 

すると、そこには「Welcome to Silent Hill」(サイレントヒルへ、ようこそ)という大きな看板が立っていた。

 

そこには、霧のかかった白っぽい風景が広がり、空からは雪が降っているのかと思ったら、なんと灰が降っていた。

霧のたちこめる視界の悪い光景が、街全体を包んでいるようだった。

 

シャロンのものと思われる足跡を頼りに、街へと踏み入れるローズ。

 

すると、どこからかサイレンの音が聞こえてきて、辺りが急に暗くなってくる。

 

建物の中に入ったローズは、暗闇の中でライターの明かりをともしながら歩いていく。 すると奥の方で物音がするので、音のする方へ近づくと、はりつけになった遺体があった。 しかもその遺体は、動いているのだ。

 

さらに、背後からは黒こげになった子供と思わしき複数の遺体(グレイチャイルド)が、ローズを取り囲むように近づいて来る。 その遺体たちは、炭化しているがまだ熱く燃えており、ローズが悲鳴を上げてしまうほど熱かった。

 

すると今度は、周囲が明るくなり、遺体たちは灰になってしまう。

ローズが居た場所は、ボーリング場跡地のようで、建物の外に出るとまだ灰は降っていた。

 

子供に病気があると、お母さんは心配でたまりませんね。

シャロンは、かわいらしい女の子だけど、夜な夜な夢遊病者となって出歩かれると、ご両親の睡眠時間が・・・心配です。

物語の序盤から、この物語の舞台である街サイレントヒルが、怪しい薄暗さに包まれたイイ感じの雰囲気を漂わせており、期待値がぐんぐんと盛り上がってまいりました。

 

ー承ー

引用元:サイレントヒル / © 2006 Silent Hill DCP Inc. and Davis Films Production All Rights Reserved.

 

この街には、誰もいないようだった。

 

ローズは、さっき自分がクルマで来た道を歩き、橋のところまで戻ってくると、道が途切れ断崖となり、もう引き返すことができなくなっていた。

 

途方に暮れるローズに、老女ダリア・ギレスピーが近づいてくる。

 

この街で初めての人物だ。 

ローズは、娘シャロンの写真を老女ダリアに見せると「それは私の娘、アレッサだ!」と言われ、その子を探していると言われてしまう。

 

仕方がなく自分のクルマに戻ったローズは、知らないうちに描いていた、シャロンの絵を数枚発見する。 その中の一枚に、学校を描いた絵があり、ローズは学校を目指すことにする。

 

その時、背後からローズを追ってきたシビル巡査が、逮捕すると言って、銃を突き付けてくる。 そしてローズは手錠をかけられ連行されるが、道が寸断され先に進めないことをシビルも知った。 ローズは、先ほどの奇妙な出来事をシビルに話すが、とても信じてもらえない。

 

2人の目の前の柵から、両腕のない人の形をした奇妙な生き物(アームレスマン)が現れる。

 

その生き物は、体に空いた隙間から、何かの液体を飛ばしてくる。 その液体がシビルの服に付着すると、服が溶け始め、慌てて服を脱ぎ捨てる。

シビルは拳銃で応戦するが、ローズはその隙にその場から逃げ出す。

 

ローズは、バス停の地図を頼りに、ミッドウィッチ小学校を目指のだった。

そして、小学校の1階で懐中電灯を見つけ、校舎を探索し始めるローズ。

 

そこへ、ガスマスクを装着し、手にはカナリアの入った鳥かごを持った一団がやってくる。

 

ローズは見つからず教室へ逃げると、ある机に「魔女」と書かれた落書きを見つける。 そのときローズの視界に少女の影が入り、あとを追ってトイレにむかう。

 

そこには有刺鉄線で縛り付けられた遺体があった。

 

するととつぜん、カナリアが暴れだし、例のサイレンが鳴り始めるとガスマスクの一団がいそいで退散しだした。 サイレンが鳴りやむと、あたりは急に暗くなりトイレの壁が剥がれ落ち、みるみる周りは廃墟のようになっていく。

 

さらに、巨大なゴキブリのような無数の虫たち(クリーパー)がはいまわり、三角錐の兜をかぶった大男(レッドピラミッド)が現れる。

 

そこへシビルが現れ、ローズを助け出し、2人でトイレに逃げかくれる。

 

2人を追ってレッドピラミッドは、巨大な剣を振り回して扉を壊していくが、途中で周囲が明るくなっていく。 すると無数のクリーパーとレッドピラミッドは消えていった。

 

「これは現実だったのかと」と不思議がる、ローズとシビルの2人。

 

一方、ローズの夫クリストファーは、失踪した2人の手がかりを探しにサイレントヒルまでやってくる。 そこにはシビルの上司である、トーマス・グッチ警部をはじめ警察が捜査をしていた。

 

どうしても自分の手で妻と娘を探したいと、たんがんするクリストファー。

実際にローズのクルマが乗り捨てられているのを発見する。

 

また、トーマス警部もシビル巡査もここで行方不明だと話す。

そして2人は、現実のサイレントヒルを捜査し始める。

 

ローズとクリストファーは、お互い同じ場所に居ても認識することができなかった。 

 

しかしクリストファーは、常に妻ローズの気配を感じていた。 小学校に案内されると、ローズの香水の香を感じ大声で彼女を探すのだった。

ただ、彼女にはその声はとどかない。

 

クリストファーは、本気で取り合わないトーマス警部に不信感を持ち、自分で捜査をすることにする。

 

ローズとシビルは、手がかりをもとにホテルへ向かう。

 

途中で、老女ダリアに石を投げているアンナという若い女性に出会う。 彼女からこの街の住民が昔から信仰している宗教について聞かされ、アンナは「街の住民はみんな、クリスタベラに守られる教会に居る」と話す。

 

アンナを連れ3人はグランドホテルに行き、111号室のフロントキー置き場にシャロンの絵を見つけ、111号室に行くが、そんな部屋はなかった。

 

しかし、ローズは火あぶりにされる女性の絵を破り、その奥に隠し部屋を見つけ111号室の中に入るが、そこは火災のため多くが焼かれていた。

 

部屋の壁に大きな穴があり、そこから隣のビルへ移ると、ローズは黒髪の少女を再び目撃する。 その子は、サイレントヒル手前でクルマの前に飛び出してきた女の子だった。

 

なんとその彼女は、シャロンとそっくりで、ローズに近づいて「私、燃えているの」と告げ、姿を消してしまう。 混乱するローズ。

 

鳥たちが一斉に飛び立つのをみて、アンナは「闇が来る」と言い、闇につかまるから早く教会へ逃げようと叫ぶ。 そのとたんに例のサイレンが鳴りだす。

 

この世界のサイレントヒルでは、暗闇が来るとサイレンが鳴り、暗闇の異世界では呪われたクリーチャーたちが徘徊するのだと理解したローズとシビル。

 

3人は教会へと走り出す。

 

霧のサイレントヒルは白っぽい幻想的な異世界ですが、サイレンが鳴った後は暗闇のサイレントヒルに変貌します。

この暗闇の異世界は、クリーチャーを含めグロテスクな世界なのですが、怖い気持ち以上に特徴のある独特なこの映像美に、ただ目を奪われてしまいました。

美術鑑賞しているような、とは言い過ぎでしょうかね。

これから物語も佳境に入り、多くの謎が解かれていくのでしょうか。

観ているこちらは、もうサイレントヒルの中に、どっぷりと入り込んでしまっております。

 

ー転ー

引用元:サイレントヒル / © 2006 Silent Hill DCP Inc. and Davis Films Production All Rights Reserved.

 

その教会がシャロンの描いた絵とそっくりなことに驚くローズ。 そして、後ろから大勢の人が教会へ逃げ込んでくる。 しかしアンナは、大男のレッドピラミッドにつかまり、皮をはがされてしまう。

 

無事に教会の中に入れたローズとシビルは、この教会でクリスタベラという女性に出会う。 彼女は、この異世界であるサイレントヒルの宗教団体を仕切っていた。

 

教団の信者が、アンナが死んだのは2人の責任だと非難し、魔女呼ばわりし詰め寄ってくるが、クリスタベラに制止される。

 

そのクリスタベラにローズは、この街で娘シャロンを見失ったことを話し、協力してほしいと頼む。 

 

クリスタベラはローズに、暗闇の中に手がかりがあるかもしれないと話す。

そこは悪魔の領域で、行くと生きて戻っては来られないかもしれないと忠告をうけるが、ローズは行く決意をする。

 

そのころ、クリストファーは公文書館に侵入し、過去の資料からシャロンそっくりな女の子アレッサの写真を見つけ、シャロンを引き取った児童保護施設へと向かう。

 

そこでトーマス警部に捕まったクリストファーは、トーマス警部のやけどを負った両手を見せられ30年前の火災のときに、アレッサが狂信的な者からむごいことをされた過去の話を聞いたのだ。 そして過去を探るのはやめるよう忠告をうける。

 

クリスタベラはシャロンに、悪魔の領域は暗闇の世界なので、道順を覚えるために、壁に書いてある地図を見せる。 そして悪魔は、B151という部屋に居て、悪魔の住人は光に反応すると教えられる。

 

ここまでは協力的だったクリスタベラだが、ローズのペンダントの写真を見て態度を豹変させてしまう。 シャロンとアレッサが瓜二つで、アレッサはこの世界では悪魔の手先と思われていたからだ。

 

「ローズは魔女だ」と教団の信者たちが、ローズを捕まえようとしたところを、シビルが身をていして助け、ローズをエレベーターに乗せる。

 

エレベーターは、ひとりローズを乗せ降りていく。

そして、シビルは信者たちに取り押さえられてしまった。

 

エレベーターをおりると、そこは病院のような場所だった。

記憶を頼りに暗い地下を進むローズの前に、ライトをつけると襲ってきて、消すと動きを止める看護師の格好をした女性たち(ダークナース)が立ちふさがっている。

 

しかし、ライトを上手くおとりにして、その場から脱出することに成功するローズ。

 

さらに廊下を進み、奥の部屋の扉を開けると、まぶしい光とともに少女の声が聞こえてきた。 「おめでとうローズ、ゴールよ」と、そしてアレッサにまつわる真実がローズの頭の中に流れ込んでくる。

 

30年も前、ダリアが私生児を出産する。 それがアレッサだった。

 

しかし父親が不明ということで、いじめの対象になってしまう。 いじめられ魔女扱いされているアレッサをクリスタベラは、よくは思っていなかった。

 

クリスタベラはダリアの姉だった。

 

あるとき、サイレントヒルのホテルで魔女狩りの儀式が行われ、クリスタベラにそそのかされたダリアは、アレッサを引き渡してしまう。 

 

火あぶりの儀式の最中に事故が起こり、辺りを炎に包む火災が起こってしまう。

この火災が原因で、この炭鉱の街は大火災となり、いまだに燃えているところがあることで、サイレントヒルは現在も封鎖されたままの状態だったのだ。

 

両手にやけどを負いながらもトーマス警部に救出されたアレッサは、病院に運ばれ命は助かったが、あまりの痛みと恐怖に苦しみ、憎悪を増大させた結果、この異世界と色々な怪物を生み出したのだ。

 

アレッサの中に残った「善の部分」が、転生して生まれたのがシャロン。

だから、シャロンとアレッサは、よく似ていたのだ。

これで、ローズはやっと真相を知ることができた。

 

シャロンの奇行に始まり、なぜ違うサイレントヒルが生まれたのかの理由が解き明かされました。

かわいそうなアレッサ。

クリスタベラと信者たちの蛮行は許せません。

この物語には、悲しい秘密が隠されていたのですね。

これから、アレッサの復讐が始まり、物語の結末はハッピーエンドで閉じられるのでしょうか。 目が離せません。

 

ー結ー

引用元:サイレントヒル / © 2006 Silent Hill DCP Inc. and Davis Films Production All Rights Reserved.

 

ローズは何が望みなのかと問うと、アレッサはクリスタベラたちへの復讐だと言う。

 

教会の中に入れないアレッサは、ローズの体の中に入り込む。

 

そのころ、シャロンをダリアの家で見つけたクリスタベラとその信者たちは、彼女を捕まえ、火あぶりの刑の準備をする。

 

そして、ローズの味方をしたシビルは、悪魔の手先だと言われ、シャロンの先に火あぶりの刑にされてしまう。 無事に戻ったローズだが、間に合わずシビルを助けることができなかった。

 

ローズは教団の信者たちに、クリスタベラがみんなの恐怖を利用していると話すが、逆にローズはクリスタベラにナイフで刺されてしまう。

 

したたり落ちる血の中から、有刺鉄線で支えられたベッドが現れ、焼けただれたアレッサが姿を現す。

 

クリスタベラは有刺鉄線に捕まり、真っ二つに引き裂かれてしまう。

 

信者たちも次々に殺されていく中、ローズに助け出されたシャロンは、目の前に現れたアレッサを見て、気を失ってしまった。

 

すべてが終わり、唯一生き残ったのはダリアだけだった。

「なぜ私だけ生き残ったのか」とつぶやくダリアに、ローズは「母だから、子供にとって母親は神と同じ」と答える。

 

クルマに乗り込み家路につく2人。 シャロンは、帰り道で家の留守電にメッセージを入れる。 そのころ家に戻っていたクリストファーは、急いで電話に出るが、雑音しか聞こえてこない。

 

来る時と違い、どこまでも霧の晴れない中、2人は無事に帰宅したが家には誰もいない。

 

ソファーに横たわっているクリストファー。 その向かいの椅子に座るローズ。

 

2人は手の届く距離に居るのに、お互い違う世界のため、確認しあうことができなかった・・・

 

十分に興奮しながら楽しめました。

内容的に、めでたしめでたしで解決したのに、こんな結末になるなんて・・・

ハッピーエンドのようで、実はバッドエンドとは。

思わず、ハッピーエンドにしてくださいよー、と声を出してしまいました。

せめて、旦那のクリストファーも一緒に、サイレントヒルに行っていれば、向こうの異世界だけど親子3人で暮らせたのかなー、などと色々考えてしまいます。

最後に、母は強し!ですネ。

 

引用元:サイレントヒル / © 2006 Silent Hill DCP Inc. and Davis Films Production All Rights Reserved.

 

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